活動実績(2017年度)

松の丸木の皮剥ぎ作業(木道橋の杭の準備)

2017年4月8日  次年度の事業計画を決める総会を開きました。
午後から、龍泉寺さんが間伐した松の丸木の皮剥ぎをしました。この丸木は、こい岩湿地の西側の木道橋の杭として使用します。松脂を多く含んだ松の杭が腐食に強く、耐久性が高いようです。

観察通路の草刈り(サギソウ湿地)

2017年5月13日  5月例会をを開きました。
午後から、5箇所の湿地の観察路の草刈りをしました。トキソウやハッチョウトンボを見にこられる方が安心して歩けるように、観察路に伸びた草や、観察路にはみ出してきた木の枝を除去しました。

2017年5月20日  山陽新聞岡山市民版に「かれんトキソウ」の記事が掲載されました。新聞を見て、多くの方が見にこられました。

2017年5月21日>  トキソウ観察会を開催しました。会員を含めて24名の参加がありました。
観察に先立って、龍泉寺の自然が岡山市の生物多様性に富んだスポットであることを解説し、自然保護の大切さを訴えました。ケーブルテレビOniビジョンが取材にこられました。

トキソウの観察(もみじ谷湿地)

もみじ谷のトキソウ

もみじ谷湿地のトキソウを観察しました。もみじ谷湿地は2009年1月に再生した湿地です。周囲の環境が良くありませんが、トキソウが今年も開花しました。

トキソウ、ヒメミクリの観察(こい岩湿地)

トキソウ(こい岩湿地)

こい岩湿地では、トキソウ、ヒメミクリ、モウセンゴケ、ゴウソ、ハッチョウトンボなどを観察しました。今年は、トキソウの生育が3日程度遅れています。月末まで開花が楽しめます。
サギソウ湿地では、多くのハッチョウトンボを観察できましたが、橙色の未成熟の個体でした。成熟して真っ赤になる(オス)には、ハッチョウトンボが羽化して2~3週間必要で、6月には成熟した個体を観察できます。

ハッチョウトンボの観察(サギソウ湿地)

ハッチョウトンボ(未成熟・オス)

兵庫県加西市にある「あびきの湿原保存会(2015年1月設立)」の方も参加されていました。保全活動を進めるに当って、このホームページを参考にされています。
ホームページの目的の一つは、郷土の「小さな自然再生」に取組もうとされている方々の参考になればと思い、情報を公開しています。お役に立てて良かったです。

安全対策で整備した天板(こい岩湿地)

2017年5月21日  午後から、サギソウ湿地の腐敗した柵の杭4本を交換しました。こい岩湿地の北側の切り株の列の北側に、天板を敷きました。切り株の上を歩くようにしていますが、雨の日は滑りやすいので安全対策として整備しました。

2017年6月2日  山陽新聞岡山市民版に「ハッチョウトンボ 龍泉寺に舞う」の記事が掲載されました。ハッチョウトンボは写真愛好者に人気があり、トキソウ以上に多くの方が見にこられました。

2017年6月4日  ハッチョウトンボと湿生植物観察会を開催しました。会員を含めて43名の参加がありました。
その内、お子様8名の参加がありました。2011年から観察会を開催してますが、今回が最も多い子供の参加があり、うれしく思っています。毎日新聞の取材もありました。

龍泉寺の湿地とハッチョウトンボの説明

観察会に先立って、龍泉寺の自然が岡山市の生物多様性に富んだスポットであること、2011年からハッチョウトンボの棲み易い環境づくりに努めた結果、個体数が2014年から増加し、昨年のピーク時は100匹を越えたことなどを説明しました。今年はノハナショウブの開花が遅れていましたが、当日トンボ池湿地で2花観察できました。減少傾向にあったヒメミクリが増加に転じ、こい岩湿地で多くのヒメミクリを観察できました。

ヒメミクリ(こい岩湿地)

ハッチョウトンボの観察(サギソウ湿地)

最後に、ハッチョウトンボを身近に観察できるサギソウ湿地へ案内しました。最初はハッチョウトンボを見つけることができなかった人も、一度ハッチョウトンボを見つけると、ここにいた、あそこにもと満足そうでした。子供たちもコンデジやスマホで撮影し、喜んでいました。
今年は雨が少ないのが影響したと思っていますが、ハッチョウトンボの個体数は昨年より若干少ないようです。それでも前日数えたところ89匹確認できました。

ハッチョウトンボ(オス&メス)

ハッチョウトンボとサギソウの芽

写真撮影で湿地の中に入る人、木道橋や観察路の傍の草を踏む人が後を立ちません。サギソウ湿地には沢山のハッチョウトンボが生息しており、観察路から手の届くところにもいます。湿地に入らなくても、満足できる写真が撮影できます。
草を踏み倒したところにはハッチョウトンボは近づきません。間近で観察するためには、湿地内の草を踏んではいけません。湿地には、貴重な植物であるサギソウが芽生えています。踏みつけるとサギソウが育たなくなります。
ハッチョウトンボが撮影できることに感謝して、マナーを守って撮影して貰いたいものです。

2017年6月16日  毎日新聞岡山版の企画特集記事「エコロジーOKAYAMA~みんなで守ろう!地球環境~」で、龍泉寺の自然を守る会の活動が紹介されました。この記事は、6月4日のハッチョウトンボと湿生植物観察会で取材を受けたものです。

観察会を前に草刈り(トンボ池湿地)

2017年8月12日  サギソウ観察会の前に、観察路を中心に草刈りをしました。
今年は、サギソウの開花が遅く、初見は8月1日でした。昨年のサギソウの初見は7月21日、一昨年は7月26日でした。

  

2017年8月19日  山陽新聞岡山市民版に「サギソウ見頃」の記事が掲載されました。新聞を見て、早朝からアマチアカメラマンが写真撮影にこられました。

2017年8月20日  サギソウ観察会を開催しました。会員を含めて42名の参加がありました。真夏の暑さを避けるために、午前9時から開始しました。
観察に先立って、龍泉寺の湿地が “次世代に残したい” “岡山市の生物多様性ホットスポット” であるかを、小冊子「龍泉寺の自然」をテキストにして説明しました。

チョウトンボの観察(トンボ池湿地)

サギソウの観察(こい岩湿地)

トンボ池湿地では、池の上を “ひらひら” 飛んでいるチョウトンボを観察しました。こい岩湿地では、サギソウの群落やアギナシ、サワギキョウなどを観察しました。

サギソウの写真撮影(サギソウ湿地)

枯れたモウセンゴケの花穂のハッチョウトンボ

サギソウ湿地のサギソウは見頃でした。木道橋の傍に咲く開花して間のないサギソウを撮影されていました。
サギソウ湿地では、ハッチョウトンボが7匹生き残っていて、枯れたモウセンゴケの花穂にとまっているのが観察できました。

サギソウの群落(サギソウ湿地)

サギソウ(サギソウ湿地)

今年は、サギソウの開花が遅れ、開花の個体数が減少するのではないかと心配しましたが、例年通り多数の可憐な白い花を観賞することができました。

メリケンムグラ(アカネ科)

2017年8月25日  愛知学院大学の富田啓介先生が西日本の湧水型湿地の調査の一環で、龍泉寺の湿地の調査に来られました。研究仲間の重井薬用植物園の片岡博行園長も同行されました。
片岡園長が、道端に“メリケンムグラ”が 生育しているのを発見し、「繁殖力の強いメリケンムグラが湿地に侵入すると、湿地を埋め尽くして大変なことになるので、すぐに除去しなさい 」とのアドバイスをいただきました。
【メリケンムグラ】調べたところ、メリケンムグラは北アメリカ原産の多年草で繁殖力が強く河川敷、ため池の畦、水田の畦を繁殖し、埋め尽くす。ダムや貯水池等の水位変動斜面を緑化するために、メリケンムグラが利用する工法があるようです。メリケンムグラは多量の種子を生産し、下流に種子が流されることで生育領域を広げている。強力な地下茎と大量の種子で増殖し、完全に撤去するのは困難な植物である。
後日、撤去し焼却しましたが、多くの種子がすでに落ちており、完全な除去には数年かかると思っています。

2017年11月11日  山陽新聞岡山市民版に「龍泉寺のモミジと紅葉スタンプラリー」の記事が掲載されました。

2017年11月12日  「龍泉寺の紅葉スタンプラリー2017」を開催しました。
「野外で遊ぶことが少なくなった子供たちに、自然と触れ合う機会を提供する」ことを目的に、“子供連れ家族”を対象にした行事で、今年で4回目になります。 当日は、曇り後晴れの天候でした。

紅葉スタンプラリー2017案内チラシ

紅葉スタンプラリーシート

今年も、岡山県立大学デザイン学部森下研究室、龍泉寺の共催で実施致しました。この行事は、市の助成金を受け「岡山市ESDプロジェクト参加事業」に指定されました。当日、ケーブルテレビOniビジョンの取材がありました。

スタンプラリー受付風景

スタンプポイント1へ向う家族

紅葉スタンプラリーに237人(子供121人、大人116人)、58家族の参加がありました。紅葉の一般客を含めると約500人の来訪があり、収容能力140台の駐車場は満杯で、この規模が集客の限度でした。
参加された子供の年代構成は、小学生50%、幼稚園以下45%、中学生5%でした。 受付では、お子様にプチプレゼント引換券をお渡ししました。

スタンプを押す子供たち

紅葉の中を歩く家族

子供はスタンプ集めに興味があり、保護者のスタンプシートにもスタンプを押していました。
紅葉は、みどり、黄色、橙色、赤色のグラデーションが美しく、見頃でした。紅葉のモミジの木々の中を、子供たちは次のスタンプポイントへ駆け足で歩き、保護者の方々は秋の紅葉を楽しみながら子供の後をついて行く光景がほほえましく感じました。

ヨーヨー釣り風景(身代り地蔵東側)

シャボン玉遊び風景(龍王池堤防)

今年は、ヨーヨー釣りをポイント4の手前、身代り地蔵の東側にセットしました。初めて、ヨーヨー釣りをする子供も多く、岡山県立大学の学生さんがサポートしていました。
ポイント4から5へは、龍王池を一周するコース1.1kmと引返すコース0.5kmの選択になりますが、今年はほとんどの家族が長距離の龍王池を一周するコースを選択していました
龍王池の堤防で行うシャボン玉遊びは毎年人気ゲームになっています。保護者の方も、子供と一緒にシャボン玉を楽しんでいました。

Hi!Zaiカードゲーム風景(あずま屋)

ポイント6の風景(本堂東側)

堤防の北側にある“あずま屋”で、“Hi!Zai(廃材)カードゲーム”を行いました。このゲームは、岡山県立大学デザイン学部森下研究室と大月ヒロ子氏が共同開発したものです。インスピレーションにより子供の創造性を誘発する効果があります。
初めてゲームに参加した保護者の多くから「商品化されたら購入したい」の声が聞かれました。

ゴール風景

ポン菓子と飲み物を飲食する子供たち

ゴールでは、完歩した子供たちがスタンプシートに完歩印を押してもらい、満足そうでした。3歳のお子様も高低差のある2.5Kmを自力で完歩しました。お疲れさまでした。
子供向けの小冊子「龍泉寺周辺の自然観察」と大人向けの「龍泉寺の自然」を家族に一部進呈しました。ご家族で冊子を見ていただき“龍泉寺の自然の豊かさ” “自然保護の大切さ”が伝わることを期待しています。
休憩所では、お子様にお渡ししたプレゼント引換券と引換えに、“ポン菓子とお好みの飲み物”をお渡ししました。保護者の方には、“コーヒーとケーキ”(有料)を用意しました。
ポン菓子は、お菓子が潤沢になかった昭和30年代に食べられていた人気のお菓子です。お米と砂糖のみのシンプルな菓子で、小麦アレルギーの方も安心です。

Hi!Zaiカードゲーム風景(休憩所前)

お絵かき・ぬり絵風景(休憩所前)

休憩所前に、お絵かき・ぬり絵コーナー、“Hi!Zaiカードゲーム”コーナーを準備しました。岡山県立大学の学生さんのアテンドで、子供たちは熱心に取組んでいました。
学生さんの協力で、今年もアンケート調査を行いました。お子様や保護者の表情から、紅葉スタンプラリーは好評であると感じていましたが、回収率97%のアンケートから参加者全員の方が思い思いに秋の一日を楽しまれたことが推測できました。
お子様の、ご家族の思い出ができたことと思います。

2017年11月22日  龍泉寺の自然を守る活動を、日本国の生物多様性“愛知目標”の評価尺度の一つになっている「にじゅうまるプロジェクト」に登録しました。
龍泉寺の自然を守る会は、龍泉寺(岡山市)の豊かな湿地の自然を守り後世に残すことを目的に、2009年から活動しているボランティアグループです。私どもの活動は“小さな自然再生・保全”活動ですが、生物多様性“愛知目標”の主旨に沿っているので、“にじゅうまるプロジェクト宣言”し、登録させていただきました。

にじゅうまるプロジェクトについて:
2010年10月に名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催され、名古屋議定書と、2010年以降(2011-2020年)の新戦略計画(愛知目標)が採択されました。
にじゅうまるプロジェクトの名称は、2020年までに20の個別目標から命名されています。

愛知目標:
「2020年までに生態系が強靱で基礎的なサービスを提供できるよう、生物多様性の損失を止めるために、実効的かつ緊急の行動を起こす」との趣旨の文言となりました。保護地域については陸域17%、海域10%となるなど、20の個別目標が合意された。
中長期目標(「自然との共生」)については、「2050年までに、生態系サービスを維持し、健全な地球を維持し全ての人に必要な利益を提供しつつ、生物多様性が評価され、保全され、回復され、賢明に利用される」ことが合意され「愛知目標」として採択されました。

2017年11月23・24・25日、12月2・3日  サギソウやトキソウなどの生育環境を良好に維持するために、植物が休眠状態の冬に、枯れ草を草刈りし、湿地から搬出します。
今年は、11月23~25日の3日間で、こい岩湿地、上こい岩湿地、サギソウ湿地、もみじ谷湿地の4箇所の草刈りを行いました。

草刈り完了時点のこい岩湿地

枯れ草の搬出作業(こい岩湿地)

12月2日に刈った枯れ草を湿地の外へ搬出する作業をしました。今年は、参加者が10名と多かったこと、こい岩湿地と上こい岩湿地の搬出した枯れ草を軽トラックで運搬する作業を龍泉寺さんでしていただくことになったこと、表層水を湿地に流すことを中止したことにより湿地のぬかるみが減少したことから、1日で搬出作業を終えることが出来ました。CATV「Oniビジョン」の取材があり、後日放映されました。

枯れ草の搬出作業(こい岩湿地)

積上げられた枯れ草の山とこい岩湿地

12月3日は、こい岩湿地の西側の木道橋を付替えるための天板に防腐剤塗料を2度塗りしました。
今年の1月に、サギソウ湿地のハッチョウトンボの生育環境を整備するために天然素材の麻袋の土嚢で水溜りを作りましたが、麻袋が腐敗し耐久性がありませんでした。今回はUV処理の黒色のポリエチ製の土嚢に変えました。
観察路の柵の杭が2本腐敗し、取り替えました。

付替え用木道橋の天板に防腐剤塗装作業

ハッチョウトンボの成育環境整備/土嚢で水溜り確保(サギソウ湿地)

2017年12月21日  NHK岡山の番組「もぎたて」のCATVコーナーで、Oniビジョン制作の「龍泉寺の自然を守る会 湿地の保全活動」が放映されました。

2018年2月1日  「岡山市身近な生きものの里事業」の更新認定を受けました。

2018年3月3日  刈り残した場所の草刈りを行いました。晩秋に咲くリンドウは、11月下旬の草刈り時点では種子が熟成していません。そのため、リンドウが成育している場所は毎年刈り残して、後日草刈りをしています。

親睦会のサギソウの植替え作業風景

2018年3月4日  今年も「足守山野草の会」のご協力で、会員の親睦会として“サギソウの育て方教室”を行いました。今年で5年目になります。過去に講師の方からいただいた球根を大事に育てて球根を増やした方、うまく育てられなかった方、今回初めての方と色々ですが、楽しくサギソウの植替え作業をしました。
賛助法人会員の㈱三つ葉工房特製ののプリンとシホンケーキでお茶会をしました。

2018年3月24日  溝をせき止めていた土嚢を、イノシシがことごとく放り出していました。イノシシは、餌を探して物をひっくり返す習性があるようです。麻袋の土嚢の時は、ひっくり返すことはありませんでしたが、麻袋の土嚢は一年ももたなかったので、黒のポリプロピレンの土嚢に代えていました。今年は、昨年よりイノシシの掘り返しが多いようです。

溝から放り出された土嚢(サギソウ湿地)

土嚢を元に戻して再度溝をせき止める

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