サギソウ湿地のベンチ前にロープを設置
2016年4月2日 次年度の事業計画を決める総会を開きました。
午後から、サギソウ湿地のベンチの前だけロープを張っていなかったので、ここもロープを張りました。昨年、写真撮影の極一部の方が、人より異なるアングルでハッチョウトンボを撮影したいために、サギソウが生育する湿地に石を投げ込んで足場にするなど身勝手な振る舞いがありました。
マナーの悪い写真撮影者への対応ですが、サギソウが開花するまでの生育期間をサギソウ湿地の非公開にする案もありましたが、多くの方はマナーを守って観察されているので、何か良い案はないかと検討していました。
ここ2年間は、湿地をそっとしておきたい思いもありハッチョウトンボの観察会と銘打っては実施していませんでした。今年はハッチョウトンボの観察会を6月に2回と積極的に行うことにしました。皆で、ハッチョウトンボを見守り、観察マナーが暗黙の了解事項になるように努めていきます。多くの方の参加をお待ちしています。(観察会当日が雨の場合、ハッチョウトンボが出現しませんので、ハッチョウトンボ観察会は中止になります。)
2016年5月11日 ラミネートで手作りした標識は1年程度しか持ちませんでした。カンパしていただいたお金で、耐久性のある3種類の標識を看板屋で製作しました。
写真撮影で湿地に入る人、希少植物を盗掘する人が後を立ちません。極一部の方のために、注意喚起の標識を製作しているのが現状です。
2016年5月11日 環境省のパンフレット「自然再生モニタリング事例集 地域で見守る自然の変化」に、龍泉寺の自然を守る会が実施している湿地の水質測定がモニタリング事例として掲載され、環境省のホームページに公開されました。
民間団体が水質測定を定期的に実施しているのは、珍しいとのことです。掲載内容は、環境省のホームページから閲覧できます。pdfファイルの38ページに掲載されています。
2016年5月14日、16日 観察会に先立って、観察通路の草刈りを実施しました。
2016年5月21日 山陽新聞岡山市民版に「トキソウかれんと観察会」の記事が掲載されました。
昨年制作した冊子で自然保護の大切さを解説
2016年5月22日 恒例のトキソウ観察会を開催しました。会員を含め50名と多くの参加がありました。
今年は、観察会に先立って、昨年制作した啓発用冊子「龍泉寺の自然」を使用して“自然保護の大切さ”を説明し、龍泉寺の自然の豊かさをPRしました。トンボ池湿地、もみじ谷湿地、サギソウ湿地、上こい岩湿地、こい岩湿地を見て周りました。
ハッチョウトンボの観察 (サギソウ湿地)
トキソウの観察 (こい岩湿地)
ハッチョウトンボの初見は5月11日でしたが、サギソウ湿地で多数のハッチョウトンボを観察することができました。こい岩湿地では、トキソウが見頃を迎えていました。数は少ないですが、ハッチョウトンボも観察することができました。モウセンゴケ、ヒメミクリ、ゴウソ、オニスゲなど湿地の植物も観察できました。
見頃のトキソウ (こい岩湿地)
ハッチョウトンボとトキソウ・モウセンゴケ
2016年5月22日 午後から、サギソウ湿地の奥の木道橋の梁が破損していたので、取り替えました。
2016年6月4日 山陽新聞岡山市民版に「赤とトラじまひらり舞う 龍泉寺のハッチョウトンボ」の記事が掲載されました。
写真愛好家の極一部の方が、ハッチョウトンボの撮影のために湿地を踏み荒らしが後をたたず、ハッチョウトンボが生息していることを積極的の広報していませんでした。
湿地のサギソウが開花する時期まで、サギソウ湿地を非公開にすることも検討しました。日本一小さいハッチョウトンボへの市民の関心は高く、楽しみにされている方が多いのが実情です。今年は、ハッチョウトンボの生息を積極的に広報するとともに、ハッチョウトンボの観察会も実施し、皆の目で湿地を守っていく方針に変更しました。
雨の中、ハッチョウトンボの観察(6月5日)
2016年6月5日 6月5日は雨のため、「ハッチョウトンボと湿性植物観察会(1回目)」は中止しました。雨天中止を知らないで、5名の方がこられたので、急遽、観察会を行いました。ハッチョウトンボは雨にぬれながら草の葉にしがみついていました。
2016年6月12日 「ハッチョウトンボと湿性植物観察会(2回目)」を実施しました。参加者は会員を含めて15名の参加がありました。
ハッチョウトンボの観察(サギソウ湿地)6月12日
ハッチョウトンボの観察(こい岩湿地)6月12日
今にも雨が降りそうな天候でした。多くのハッチョウトンボを観察することができました。中には、手の届く距離のところに静かにとまっているハッチョウトンボもいました。ノハナショウブ、ヒメミクリなどこの時期の湿地の植物を観察することができました。ハッチョウトンボは子供にも人気で、子供連れの家族の参加もありました。
ハッチョウトンボ (オス)
ハッチョウトンボ (メス)
2016年6月12日 午後から、腐食で破損したサギソウ湿地の柵の杭の取替え、写真撮影で湿地に侵入した箇所にロープで柵をしました。
2016年8月13日 山陽新聞岡山市民版に「純白サギソウかれん」の記事が掲載されました。
2016年8月14日 「サギソウ観察会」を実施しました。参加者は会員を含めて21名の参加がありました。
サギソウとハッチョウトンボの観察(こい岩湿地)
サギソウとハッチョウトンボの観察(サギソウ湿地)
酷暑でお盆にも関わらず、サギソウの観察会に多くの方の参加がありました。サギソウ、アギナシ、サワギキョウ、サワヒヨドリ、ヒメオトギリなど湿地の植物を観察しました。 ハッチョウトンボが数匹生き残っていて、楽しく観察されていました。
アギナシの雌花
サギソウ
モウセンゴケに捕まったハッチョウトンボ
2016年5月~8月 サギソウ湿地を復元した頃のハッチョウトンボは数匹でした。2010年からハッチョウトンボの幼虫が成育する環境を整備してきた事により、2014年から個体数が増加してきました。
ハッチョウトンボの個体数の変動を、5月~8月間経過観察を行いました。初見は5月11日で、6月11日の104匹をピークに減少し始め、8月下旬にはハッチョウトンボを見かけなくなりました。ハッチョウトンボは小さくて数えもれがあるので、2016年のピーク時の生息数は120~140匹と推定しています。
詳細は、“龍泉寺の湿地~小さな自然再生の記録”に掲載しています。
2016年11月3日 山陽新聞岡山市民版に「紅葉スポットを巡ろう~13日スタンプラリー」の記事が掲載されました。
2016年11月13日 龍泉寺の紅葉スタンプラリー2016を岡山県立大学デザイン学部森下研究室の支援をえて「岡山ESD参加事業」として開催することができました。
スタンプラリー2016のチラシ
紅葉スタンプラリー2016のスタンプシート
開催日が岡山マラソンと重なりましたが、44家族 160人(子供84人、大人76人)の参加がありました。目標の50家族には達しませんでした。当日はスタンプラリー日和の快晴で、秋の一日をスタンプラリーで楽しみました。
スタンプラリーの受付風景
もみじ坂を登る参加家族
受付では、お子様にお菓子をプレゼントしました。龍泉寺のモミジは、広い敷地に約2000本のイロハモミジが植栽されていて、場所によって紅葉の時期が異なります。紅葉シーズンが1ヶ月程度と長いのが特徴です。
真っ赤に紅葉したもみじ谷を歩く家族
もみじ谷の頂上でスタンプする家族
子供たちはスタンプ集めに眼を輝かせていました。子供に導かれて保護者が後を追うほほえましい光景があちこちで見受けられました。もみじ谷は真っ赤に紅葉していました。
シャボン玉に興じる子供たち
スタンプポイント6の風景
龍王池の堤防のたもとでシャボン玉遊びをしました。子供たちは、色々な用具を使用して、大きなシャボン玉、多数の小さいシャボン玉を飛ばして楽しみました。適度の風があり、シャボン玉は秋空に舞い上がりました。
本堂の東側のスタンプポイント6は紅葉の写真スポットです。
ヨーヨー釣り風景
インスピレーションゲーム風景
拝殿の東側でヨーヨー釣りで遊びました。初めてヨーヨー釣りをする児童に岡山県立大学の学生さんが優しく手ほどきしていました。用意した200個のヨーヨーはなくなりました。
休憩所の前では、インスピレーションゲームを行いました。このゲームは、大月ヒロ子さんのIDEA R LAB と岡山県立大学デザイン学部が共同で開発した廃材カードゲーム「Hi!Zai Card Game ver.Tamashima」の遊び方の一つです。創作したゲームのモニタリングのために子供たちや保護者の方に遊んでもらい感想をいただきました。
お絵かき・ぬり絵風景
ゴールで完歩印押してもらっています
ブランコの前でお絵かき・ぬり絵コーナーを開設しました。昨年人気があったのでテーブルを増設しました。思い思いの色でぬり絵に興じていました。小学生低学年以下の子供たちに人気がありました。
ゴールでは完歩印を押してもらい、龍泉寺の自然を守る会が制作した冊子「龍泉寺の自然」と「龍泉寺周辺の自然観察」を進呈しました。ご家族で冊子を見ていただき“龍泉寺の自然の豊かさ” “自然保護の大切さ”が伝わることを期待しています。
拝殿東側の紅葉
岡山県立大学学生さんの協力で、初めてアンケート調査を行いました。有効回答は26家族で、全家族がスタンプラリーが楽しかったと評価されていました。
楽しかった要因として、1番は「紅葉が美しかった」2~4番は「スタンプ集め」「家族と一緒」「歩きまわったこと」が続き、5番は「ゲーム」になっていました。
大変好評で、“来年も来ます!” の感想が多く聞かれました。お子様の・ご家族の思い出づくりになったのではと思っています。
岡山マラソンの影響を直接受けて、紅葉狩りのベスト日曜日にも関わらず、紅葉の見物客が激減していました。混雑がなくて、スタンプラリーには良かったと思っています。
2016年12月3~5日 11月に刈った湿地の草を12月3~5日の3日間かけて搬出・運搬を行いました。会員の高齢化にともなって、体力的な面から参加者が少なくなってきており、保全活動の継続が課題になっています。
こい岩湿地の枯れ草の搬出作業
サギソウ湿地の枯れ草の搬出作業
4日午後は雨で作業ができませんでした。作業が終了するか危ぶまれましたが、参加者のがんばりで何とか完了することができました。枯れ草は軽トラ20台分で、龍泉寺さんが枯れ草を堆肥にし、有効利用しています。
搬出した枯れ草の山
カモノハシなど後退によるぬかるみ(赤枠内)
こい岩湿地の中央部分(写真の赤枠)が、長靴が抜けなくなるほどぬかるみ、作業が困難な状態でした。湿地の乾燥化対策のために谷川の水を湿地全面に回るように誘導したことが、カモノハシやコマツカサススキの繁殖力を減退させ、草株が小さくなったことによります。こい岩湿地内を歩くとき、草株の上を歩いていました。
谷川の水の誘導により乾燥化は止まり、サギソウの生育範囲は広がってきました。しかしながら、沼地化すると人が湿地に入ることができなくなり、枯れ草の刈り取りができなくなるので、湿地の管理方針を転換しました。谷川の水を湿地中央に誘導することを中止すると共に湿地の水位を少し下げました。こい岩湿地を少し乾燥化させて、カモノハシなど背丈の高い草の勢力を回復させることにしました。
2017年1月14日 午前は例会で、午後にサギソウ湿地の保全を行いました。種子を熟成させるために刈り残していたエリアを刈り取りました。 サギソウ湿地の柵の杭が朽ち、6本交換し、ロープを張りなおしました。案外、杭の腐敗が早く、毎年数本交換しています。
サギソウ湿地の杭の補修作業
サギソウ湿地の溝を土嚢で堰き止め
ハッチョウトンボの幼虫の成育環境を維持するために、溝の3箇所を土嚢で堰き止め小さな水溜りを造りました。麻袋の土嚢は1年で腐敗しましたが、この場所の土嚢は天然素材にこだわって、今回も麻袋としました。
2017年1月22日 岡山市がユネスコ/日本ESD賞を受賞した記念行事として「岡山ESDフォーラム2017」が岡山大学で開催されました。2015年・2016年にユネスコ/日本ESD賞を受賞したドイツ、ガテマラ・エルサルバドル、インドネシア、イギリス、日本(岡山市)の5受賞事業の発表がありました。
ユネスコ/日本ESD賞受賞事業発表
龍泉寺自然を守る会のパネル展示
同時に岡山ESDプロジェクト参加団体の活動内容を紹介するパネル展示がありました。龍泉寺の自然を守る会も、会の活動を広く知っていただくために、パネル展示、龍泉寺の自然の冊子・会員募集案内の配布、DVDの上映を行いました。
足守公民館だより(2017年2月)
2017年2月6日 足守公民館の公民館だよりに、龍泉寺の自然を守る会の活動紹介を掲載していただきました。地元の皆様に情報発信し、お力添えをお願いしていきたいと思っています。
2017年2月16日 岡山県立図書館から昨年制作した小冊子「龍泉寺の自然(大人向け)」、「龍泉寺周辺の自然観察(子供向け)」の提供依頼がありました。岡山県立図書館の郷土資料としてファイリングされます。
親睦会のサギソウ育て方教室
2017年2月19日 会員の親睦会として、今年も、足守山野草の会のご協力で、サギソウの育て方教室を開催しました。サギソウを育てている方は、自分の球根を持ってきて植替え作業を行いました。球根がない方は、足守山野草の講師の方から無償で分けていただきました。
サギソウの花を咲かせるのが案外難しく、6月のハッチョウトンボの観察会の日に、育てているサギソウの植木鉢を持ち寄り、講師のアドバイスを受けることになりました。実際に育て、日々観察することで分かることがありました。
荒木さんちのたまごプリンとシホンケーキとコーヒーでお茶会をおこないました。
こい岩湿地の木道橋の付替え作業
2017年3月19日 こい岩湿地の東側の木道橋の付替え工事が行われました。こい岩湿地の木道橋は2010年11月・12月に設置してから、6年3ヶ月経過していました。
龍泉寺の上人の「次の世代への木道橋を渡せるように!」との思いから、付替え工事は、龍泉寺さんの手配で行われました。厚い天板と太い杭を使用しているので、10年以上の耐久性はあると思います。
2017年3月19・25日 サギソウ湿地の木道橋の塗装、こい岩湿地のピットの土砂撤去などの保全を行いました。25日には、付替えたこい岩湿地の木道橋の塗装をしました。
付替えた木道橋の塗装(こい岩湿地)
付替えた木道橋(手前)こい岩湿地
環境省制作冊子の表紙と会の掲載ページ
2017年3月28日 環境省のパンフレット制作を受注した会社の担当者から、冊子「自然再生により得られる自然の恵み~生態系サービス事例集~」に龍泉寺の自然を守る会の活動を生態系サービスの切り口から掲載したいとのご依頼がありました。
“会員の高齢化で存続が危惧されている状態なので、モデル事例として紹介いただくのはどうかな?”と、一度はお断りしました。担当者のお勧めがあり、龍泉寺の自然を守る会の活動紹介がお役に立つのであればと思いなおし、掲載していただきました。
素人の集まりの“龍泉寺の自然を守る会”が取組む湿地の保護活動が、環境省発行のパンフレットに3回も掲載していただける機会を得ました。
「小さな自然再生活動事例集(平成27年3月発行)」
「自然再生モニタリング事例集 地域で見守る自然の変化(平成28年2月発行)」
「自然再生により得られる自然の恵み~生態系サービス事例集~(平成29年3月発行)」