活動実績(2018年度)

2018年4月2日  2010年12月に設置したこい岩湿地に降りる木製階段を支えている杭が腐食してきました。龍泉寺さんにお願いして、階段を付替えしていただきました。

付替えた階段(こい岩湿地 西側階段)

付替えた階段(こい岩湿 地東側階段)

2018年4月7日  次年度の事業計画を決める総会を開きました。

こい岩湿地の北側に丸木を並べて整備

2018年5月10日  龍泉寺さんが、こい岩湿地の北側に丸木を並べて整備されました。

観察路とその周辺の草刈り

2018年5月12日  5月例会を開催しました。
午後から、見学者のために観察通路の草刈りを実施しました。トキソウやハッチョウトンボなどを見に、多くの方がこられます。また、5月20日にトキソウ観察会、6月3日にハッチョウトンボと湿生植物観察会を予定しています。

2018年5月17・21日  取替え用の木道橋の天板に防腐塗料を3度塗りしました。

2018年5月19日  山陽新聞岡山市民版に「トキソウ見頃」の記事が掲載されました。朝刊を見て、たくさんの方がトキソウを見にこられました。

2018年5月20日  トキソウ観察会を開催しました。会員を含めて、20人の参加がありました。 観察に先立って、小冊子「龍泉寺の自然」をテキストに、龍泉寺の自然を守る会の紹介、生物多様性に富んだ龍泉寺の湿地、レッドリスト、龍泉寺の湿地の特性などについて解説し、自然保護の大切さをPRしました。

観察に先立っての説明(休憩所で)

トキソウの群落を観察する参加者(こい岩湿地)

こい岩湿地に行く道沿いに花を咲かせている樹木を観察しました。ガンピ、ナツハゼ、コツクバネウツギ、ヤマウルシ、ソヨゴなど。
こい岩湿地の今年のトキソウは、今まで観察してきた期間の中で最も生育範囲を拡大していました。ここ数年、こい岩湿地の南中央部のトキソウが消滅する傾向がありましたが、回復の兆しが見て取れました。ヒメミクリ、ゴウソ、オニスゲなども観察しました。

トキソウの群落(こい岩湿地)

トキソウ(こい岩湿地)

こい岩湿地、サギソウ湿地でハッチョウトンボを観察することが出来ました。この時期のハッチョウトンボの多くは未成熟で、真っ赤なハッチョウトンボ(オス)は少なかった。

2018年5月21日  もみじ谷湿地のガマを撤去しました。ガマは湿地の植物ですが、地下茎とガマの穂の種で増えるので、繁殖力が強いので、毎年撤去しています。

メリケンムグラの除去

2018年6月1日  メリケンムグラの除去、こい岩湿地の杭の交換など保全作業を行いました。メリケンムグラが龍泉寺の敷地にも入ってきました。湿地に侵入すると大変なことになるので、昨年から草刈り、除草剤の散布で除去作業をしています。生育力が強く、多量の種子で繁殖します。毎年、根気よく、メリケンムグラを除去し続けないと、完全な撤去は難しい代物です。

2018年6月2日  山陽新聞岡山市民版に「ハッチョウトンボ」の記事が掲載されました。朝刊を見て、ハッチョウトンボの写真を撮るために、たくさんの方がこられました。極一部の方ですが、写真撮影で湿地に入る不心得の人がいます。マナーを守って欲しいです。

2018年6月3日  ハッチョウトンボと湿生植物観察会を開催しました。会員を含めて、29人の参加がありました。
2019年1月には、龍泉寺の自然を守る会が発足して10周年を向えます。この観察会は、10周年記念行事として企画しました。会の発足当時、顧問としてご指導いただいた先生を講師に、「ハッチョウトンボとその他のトンボたち」と題してお話をしていただくことにしていました。
急に先生のご都合が悪くなり、当日は内容を少し変更してハッチョウトンボの話をさせていただきました。CATVのOniビジョンの取材がありました。

ハッチョウトンボの解説(休憩所で)CATVの取材がありました

ハッチョウトンボの羽化を撮影する参加者

6月1日に下見した時に、サギソウ湿地のハッチョウトンボを数えたところ112匹いました。昨年より多い個体数を確認しました。今年は適度の降水量があり、ハッチョウトンボの成育状況は良いようです。初見は5月1日でした。
こい岩湿地では、日陰の場所で開花が遅れるトキソウも観察できました。開花し始めたノハナショウブも楽しむことができました。

ハッチョウトンボ(オス)

ハッチョウトンボ(メス)

ハッチョウトンボの解説に使用したテキストをダウンロードできます。テキスト「サギソウ湿地のハッチョウトンボ」は、①ハッチョウトンボの棲み易い環境づくりが個体数の増加に繋がったこと、②1~5月の累積降雨量が湿地の成育環境に影響を与えること、③成虫の生態を解説しています。
「ハッチョウトンボとオニヤンマ」は、日本で一番小さいハッチョウトンボと日本で一番大きいオニヤンマの生態を文献で調べ比較解説しています。

2018年6月4日  サギソウ湿地の奥の木道橋の梁が壊れていました。補修しました。

スズメバチ捕獲器を取り付け(こい岩湿地)

2018年6月17日  試験的にスズメバチ捕獲器をこい岩湿地とサギソウ湿地に各1個設置しました。湿地にはスズメバチの餌になる昆虫や花の蜜があり、スズメバチによく出くわします。通常は静かにしてジッとしていれば、スズメバチは飛んでいきますが、あまり気持ちの良いものではありません。

遊歩道の草刈り(こい岩湿地)

2018年8月4日  午前8時から湿地の遊歩道の草刈りをしました。サギソウを見に多くの方が来ます。気持ちよく見ていただくために、この時期、毎年草刈りをしています。

2018年8月18日  山陽新聞岡山市民版に「涼しげな純白サギソウ見頃」の記事が掲載されました。

2018年8月19日  サギソウ観察会を開催しました。会員を含めて64人の参加がありました。今までの観察会で最も多い参加者数でした。 今年の夏は酷暑ですが、観察会当日は北の高気圧配置に変わり、比較的しのぎ易い天候でした。足守山野草の会の方が育てた園芸用サギソウの展示がありました。

龍泉寺の湿地とサギソウの解説

足守山野草の会の方が育てたサギソウを観賞

観察会では、毎回30分程度で、自然保護の大切さを解説してます。鉢植えのサギソウを展示したことから、あらぬ疑いを持たれてはいけないので、自然保護の大切さを念を入れて解説しました。
“植物が絶滅の危機に瀕する原因は、①開発、②植物遷移、③乱獲・盗掘の順です。日本では開発は一段落しており、現時点では「商業目的や観賞目的による乱獲や盗掘」が絶滅の主要原因になっています。
自生のサギソウは採取しない、園芸用にサギソウを育てると球根(球茎)が増えますが、増えた球根を決して自然に戻さない。自生地ごとにDNAが異なり、最近ではDNAレベルの保全が大切であるといわれています。・・・”

サギソウの観察(サギソウ湿地)

サギソウの群落

今年のサギソウの初見は7月25日で、例年並みです。7月6日の豪雨により土砂が一部湿地に侵入しましたが、範囲が限定的で大きな影響は受けてませんでした。酷暑のためか、花の大きさが若干小さいサギソウが見受けられました。
こい岩湿地については、2016年12月から「谷川から水を誘導して表層水として湿地に水を流すこと」を中止し、湿地の植物の生存競争を見守る保全方針に変更しました。2016年の夏に比較して、カモノハシ、コマツカサススキの勢いが強くなり、背丈も高くなっています。今後、サギソウの成育に大きな影響を与えるようであれば、湿地保全の微調整が必要になるでしょう。

サギソウ

アギナシ

観察会は、夏休みの小学生を対象に2011年から始めましたが、小学生の参加が少なく2013年から現在の一般を対象に開催しています。(子供の参加は大歓迎です) 今回、3人のお子様の参加がありました。
龍泉寺の湿地は、植物園などと異なり常に開放しています。観察会に一度参加し、龍泉寺の湿地の状況を把握された方は、次回は自分の都合の良い時に見にこられるのが一般的で、観察会のリピーターはあまりありません。
そのため観察会の参加数は、減少傾向にあります。今回のサギソウ観察会の一般参加者は50人と過去最高でした。少し驚いています。

2018年9月26日  6月に外来植物メリケンムグラを除去しましたが、その後の状況を確認しました。除去した場所では、6月以降に芽吹いたメリケンムグラが数本ありました。新たに長池の土手、まさ土を採土している場所、こい岩湿地から上こい岩湿地に行く道端でメリケンムグラを確認しました。 メリケンムグラは繁殖力が強力で、湿地に侵入すると湿地全面をメリケンムグラが覆い、貴重な湿地の植物が駆逐されてしまいます。特定外来植物には指定されていませんが、たちの悪い植物です。
今年は、上こい岩湿地に外来種ヒレタゴボウが多数繁殖し、除去しました。

上こい岩湿地に行く道端のメリケンムグラ

上こい岩湿地のヒレタゴボウを除去

2018年10月7・8・9、16・17日  標識の支柱やツバキの名札板は設置して7~9年経過し、腐食が進み倒れるものが目立つようになってきました。龍泉寺さんで支柱と名札板を製作していただき、白のペイントと防腐剤塗料を塗りました。 ツバキの名札板は2009年に藤原先生(故人)がツバキを記念に移植したときに取り付けたものです。

標識の支柱とツバキの名札に塗料を塗布

腐った標識の支柱を取り替え

スタンプラリーコースの草刈り

2018年11月3日  午前中にスタンプラリーの準備会と例会を開き、スタンプラリー前日の準備、当日の役割分担などについて話し合いました。
午後からスタンプラリーのコースおよび湿地の観察通路の草刈りを行いました。「こい岩湿地の標識」の修復ともみじ谷湿地のセイタカアワダチソウの除去を行いました。

支柱が腐り倒壊したこい岩湿地の標識

標識支柱を取り替えて設置

2018年11月9日  山陽新聞岡山市民版に「深まる秋 モミジ見頃 11日スタンプラリー」の記事が掲載されました。

2018年11月11日  「龍泉寺の紅葉スタンプラリー2018」を開催しました。
「野外で遊ぶことが少なくなった子供たちに、自然と触れ合う機会を提供する」ことを目的に、“子供連れ家族”を対象にした行事で、今年で5回目になります。今年度は、龍泉寺の自然を守る会が発足してから10周年になります。 紅葉スタンプラリーは、10周年記念行事として開催しました。当日は秋晴れの晴天でした。

スタンプラリー2018案内チラシ

紅葉スタンプラリー2018のスタンプシート

今年も、龍泉寺の自然を守る会が主催し、岡山県立大学デザイン学部森下研究室、龍泉寺の共催で実施しました。この行事は、「岡山ESDプロジェクト活動助成金」受け、“岡山ESDプロジェクト参加事業”として開催しました。ケーブルテレビOniビジョンの取材がありました。

スタンプラリー2018の受付風景

もみじ坂を登りポイント1へ向う家族

“紅葉スタンプラリー2018”に、448人(子供226人、大人222人)、112家族の参加がありました。昨年に比べると約1.9倍の参加がありました。参加した子供の年代構成は、幼稚園以下51%、小学生45%、中学生4%でした。

スタンプを押す子供たち(ポイント1)

坂を下りもみじ谷のポイント2へ

気温も20℃前後とスタンプラリーに絶好の気候でした。子供たちは、モミジ林の芝生を我先に駆け下り、スタンプポイントの目印である「岡山ESDの幟」を見つけて、もみじ谷のポイント2へ走っていました。保護者の方は、紅葉を楽しみながら子供たちの後をついていきました。

もみじ谷のスタンプポイント(ポイント2)

最も急な山道を登りポイント3へ向う家族

もみじ谷のスタンプポイントから、振り返るとモミジの紅葉が美しく、スマホで写真撮影される方がおられました。ポイント3へ行くには最も急な山道を登る必要がありました。登り口にガイドが立ち、足腰に自信のない方や幼い幼児連れの保護者の方に迂回路を案内しました。幼い幼児も山登りの道を選択し、生き生きと元気に登っていました。

山道をはずれモミジ林の中を直行する家族

もみじ谷の頂上のポイント3での風景

山道をはずれ紅葉のモミジ林の中を直行してもみじ谷頂上のポイント3に向う家族もおられました。子供はスタンプ集めが楽しく、保護者のスタンプシートにもスタンプを押していました。

ポイント5でシャボン玉遊び(龍王池堤防北部)

モミジの紅葉が美しいポイント6(本殿東側)

ポイント4はこい岩湿地の入口に置きました。ポイント4から5へは、龍王池を一周するコース1.1Kmと引き返すコース0.5Kmの選択になりますが、一周コースを選択された家族が多かったようです。龍王池堤防北部のポイント5にシャボン玉遊びをセットしました。 シャボン玉遊びは人気ゲームで、今年も大繁盛でした。シャボン玉の浮遊にちょうど良い気流があり、何度も何度もシャボン玉を飛ばしているお子様もいました。本堂東のポイント6のモミジは、赤、橙、黄、黄緑のグラデエーションが美しく、たくさんの方がスマホで記念撮影をしていました。

輪投げの風景(拝殿西側)

Hi!Zaiカードゲームの風景(休憩所前)

岡山県立大学デザイン学部の学生さんが、今年もボランティアで参加しゲームとアンケート調査を担当しました。お姉さんお兄さんのサポートで子供たちは楽しく遊んでいました。今回初めて「輪投げ遊び」を取り入れました。 年齢階層で距離のハンデを付け幼児から大人まで楽しく遊べました。
岡山県立大学デザイン学部森下研究室と大月ヒロ子氏が共同開発した「Hi!Zaiカードゲーム」を今年もモニタリングしました。このゲームは、インスピレーションにより子供の創造性を誘発する効果があります。
最近見かけることが少なくなったヨーヨー釣りに子供たちは興味深く取組んでいました。

ヨーヨー釣り風景(休憩所前)

プレゼント交換と喫茶(休憩所)

先着120人のお子様にプレゼント引換券を渡す企画でしたが、途切れることなく子供連れの家族が受付にこられたので、子供の気持ちを考えると先着120人で区切ることできず約200人にプレゼントをお渡しすることになってしまいました。別の目的で用意していたポン菓子をプレゼントに引き当てました。
休憩所の喫茶で、お子様にお渡ししたプレゼント引換券と引換えに“ポン菓子とお好みの飲み物”をお渡ししました。昭和30年代ごろまではポン菓子製造機をもって業者が地域を巡回していて、お米を持参してポン菓子を作ってもらっていました。ポン菓子は米と砂糖で作られているので、小麦アレルギーの方にも安心です。
ゴールでは、子供向けの小冊子「龍泉寺周辺の自然観察」と大人向けの「龍泉寺の自然」を家族に一部進呈しました。100セット準備しましたが、想定以上の参加家族で冊子が不足し、お渡しできなかったご家族もありました。この小冊子は、ご家族で見ていただき“龍泉寺の自然の豊かさ”“自然保護の大切さ”が伝わることを期待しています。
今回も学生さんの協力でアンケート調査を行いました。アンケートに回答された全員の方が、“スタンプラリーに参加して楽しかった、良かった”と回答されています。天候に恵まれ、秋の一日をご家族思い思いに楽しまれました。
今年も岡山マラソンの日と重なり一般の紅葉見物客は少ないのですが、今年は想定以上に一般客が多く、140台収容の駐車場では不足し、普段は使用しない広場も臨時駐車場にして対応しました。
昨年より参加者が増えることを予測して準備しましたが、その想定を越える参加者でした。事故もなく、参加された家族の皆さんが楽しまれたので、大変良かったと思っています。

2018年11月20日  月の豪雨でもみじ谷湿地の排水口が詰まり、水が溜まりました。放置していましたが、溜まった水をポンプで汲み出し、詰まった排水口を貫通させる作業をしました。

溜まった水をポンプで排出(もみじ谷湿地)

詰まった排水口の貫通作業

この排水溝は、江戸時代の石造りで、長い年月で崩れていました。石組みの間に竹竿を突き刺し、わずかな貫通穴を確保することができました。作業中に、ヒメアカネとオオアオイトンボを観察できました。汲みだした水落のピットにはアカハライモリ、ガムシやトンボのヤゴが生息していました。

2018年11月17・18・23日、12月1日  こい岩湿地・上こい岩湿地・サギソウ湿地・もみじ谷湿地の枯草を刈取り、湿地から搬出しました。湿地の植物が休眠する冬に行うこの作業は、湿地の希少植物を保護するための最も重要な保全作業です。

枯草を刈った状態(こい湿地)

刈取った枯草の搬出作業1(こい岩湿地)

枯草の撤去作業を行わなかった場合、①枯草が湿地を覆い、太陽光が届かず希少植物の生育を妨げるようになります。②サギソウやトキソウは貧栄養な土壌で成育できます。枯草が腐敗し、腐敗した枯草が養分になり、湿地が肥沃化していきます。肥沃化すると背丈の高い湿地の植物が成育領域を拡大し、湿地外に成育するススキなどが湿地を侵食してきます。
枯草を撤去し、湿地を貧栄養状態を維持することが、サギソウやトキソウの保護につながります。植物同士の生存競争のバランスを取るのが、保護活動の極意のようです。

刈取った枯草の搬出作業2(こい岩湿地)

枯草を撤去し来年の芽吹きを待つこい岩湿地

2019年1月24日  龍泉寺の自然を守る会が発足して満10年になる記念日です。来年度一年を費やして「龍泉寺の自然を守る会の10周年誌」を電子書籍で発刊したいと思っています。

2019年2月27日  こい岩湿地のピットに堆積した砂を搬出、サギソウ湿地の水路の保全をしました。

サギソウの植替え作業(親睦会)

2019年3月3日  会員対象に親睦会を開催しました。今年も、足守山野草の会のご協力でサギソウの育て方教室を行いました。昨年育てたサギソウから採取した球根を持ち寄り、うまく育てられなかった方は講師の先生が育てた球根を無償で分けていただきました。
講師の「サギソウの育て方」のマニュアルにしたがってサギソウの植替え作業を行いました。採取できた球根が増えて、用意したミズゴケが足りませんでした。サギソウを育てて毎日身近で観察することが、サギソウの生態をより深く理解できると思っています。 その後、コーヒーとケーキで茶話会を行いました。
CATVのOniビジョンの取材がありました。

イノシシに掘りかえされたサギソウ湿地

2019年3月7日  今年はイノシシが龍泉寺の敷地のいたるところを耕しています。サギソウ湿地も数箇所イノシシに耕されていました。写真の箇所が特にひどい状態です。この領域は、サギソウが自生し、ハッチョウトンボも成育する場所です。
2013年にもイノシシに酷く耕されたことがありました。この時、耕された場所は乾燥を好む植物が育ちサギソウが生えないエリアでしが、耕されたことで表面を覆っていた植物や土が撹乱されて、2年後にはサギソウが自生しハッチョウトンボが成育する環境に変わりました。
イノシシによる今回の撹乱が、生態系にどのような影響を与えるか見守りたいと思います。

2019年3月13日  3月に入り、周期的に雨が降り、遅れていた湿地の保全作業を行いました。

冬に刈り残した場所の草刈り

腐った杭の取替え

冬に刈り残した場所の草刈り、腐った杭の取替え作業を行いました。木道橋に防腐塗料を塗りました。2~3年に1回、木材防腐塗料を塗っています。

木道橋に防腐塗料を塗る作業

防腐塗料を塗り終えた木道橋

2019年3月15日  毎年2月から3月にかけて、湿地の水溜りのあちこちにカエルが産卵します。数週間後、おびただしい数のオタマジャクシが孵化します。オタマジャクシが大きくなるにしたがってオタマジャクシの数が少なくなってきます。毎年のことですが、オタマジャクシが変態したカエルの姿を見たことがありません。

水溜りのカエルの卵

おびただしい数のオタマジャクシ

ニホンアカガエル

産卵したカエルがニホンアカガエルなのか、ヤマアカガエルなのか長年気にかかっていました。
岡山自然保護センターなどで講師をされている山田勝先生にお話しする機会があって、龍泉寺の湿地で実地に調べていただきました。その結果、カエルの卵はニホンアカガエルであることがわかりました。標高190mにある湿地ですが、すべてニホンアカガエルでした。オタマジャクシが成長するにつれて個体数が少なくなるのは、共食いが要因の一つとのお話でした。長年の疑問が解決しました。

ページトップへ