2020年4月11日 次年度の事業計画を決める総会を開きました。新型コロナウイルスへの対応を協議した結果、2020年の観察会を中止しました。
破損した木道橋(こい岩湿地)
2020年5月4日 こい岩湿地の東側の木道橋の梁が破損して通行できなくなりました。梁が朽ちて弱くなっていたところに、ゴールデンウイークで人出が有り、壊れたようです。 修復を龍泉寺にお願いしました。補修資材を調達するに少し時間がかかります。
2020年5月5日 新型コロナウイルス緊急事態宣言が発令され、行き場を失った家族連れが弁当を持って龍泉寺を訪れる方を見受けるようになりました。
子供さんの多くは通学の服装(短パンまたはスカート、素足、スニーカー)でした。
龍泉寺は、「街の公園」と異なり、マムシ・スズメバチ・ウイルスをもつマダニがいます。今日は、季節はずれの暑さで、マムシが道の真ん中で休んでいるのを発見(左上の写真)しました。急遽、右上の手作りの警告標識を作成し、数箇所に掲示しました。
龍泉寺へは、山歩きのできる完全防備の服装でおいで下さい。
2020年5月6日 サギソウ湿地の木道橋の数箇所の梁が、朽ちて破損寸前の状態になっていました。梁を取り替えて修復しました。
破損した梁の取替え(サギソウ湿地)
破損した梁の取替え2(サギソウ湿地)
2020年5月9日 5箇所の湿地の観察路の草刈りをしました。湿地を見にこられる方が、安全に歩けるように毎年春・夏・秋の3回、観察路の草刈りをしています。草むらに、猛毒のマムシ・ヤマカガシが潜みやすくなります。足元を確かめて、湿地の観察路を歩きましょう。
観察路の草刈り(こい岩湿地)
観察路の草刈り(サギソウ湿地)
修復した木道橋の梁と杭(こい岩湿地)
2020年5月18日 5月4日に破損したこい岩湿地の東木道橋の補修材料が揃い、修復を行いました。安全性を高めるために、天板の真ん中に杭と梁で支えるように、天板ごとに3点支持にしました。修復作業は龍泉寺さんでしていただきました。
トキソウの観察シーズンの前に、木道橋が修復できて良かったです。
2020年5月21日 山陽新聞岡山市民版に「トキソウ開花」を紹介する記事が掲載されました。
2020年5月19~31日 今年は、寒い日があれば暑い日もあり気温が不連続の天候でした。そのためか、トキソウの見頃の時期が後にズレ、5月19日~5月末頃まででした。
トキソウ1(こい岩湿地)
トキソウ2(こい岩湿地)
今年は、新型コロナウイルスの関係で、観察会は中止しました。今年のトキソウは、開花数の密度の違いはありますが、こい岩湿地全域に広がり、今までで最も良好でした。 新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発令され、行楽先が閉鎖されたためか、例年より多くの方が見にこられました。
2020年5月下旬~7月下旬日 今年も5月下旬から6月上旬にかけてハッチョウトンボが羽化しました。コロナウイルスのために、観察会は開催できませんでしたが、多くの方がハッチョウトンボを見にこられました。
岡山県のハッチョウトンボの生息地は龍泉寺以外にありますが、撮影のし易さ(個体数が多い・近距離で撮影可能)から写真撮影マニアには人気で、望遠レンズ持参で来ます。撮影者は湿地に入らないなどルールを守って、お楽しみ下さい。
ハッチョウトンボ オス (サギソウ湿地)
ハッチョウトンボ メス (サギソウ湿地)
近づいてきたメスに求愛するオス (サギソウ湿地)
カップリングしたハッチョウトンボ (サギソウ湿地)
昨年は、降水量が少なく湿地が乾燥し、ハッチョウトンボの出現個体数が少なかったです。今年は降水量がありましたが、ピーク時の出現個体数は50匹程度でした。期待していたほどの出現個体数ではありませんでした。
2020年6月18日 山陽新聞岡山市民版に「龍泉寺のハッチョウトンボ」を紹介する記事が掲載されました。
2020年7月30日・8月10日 長池の上の芝生の広場にも、北アメリカ原産の「メリケンムグラ」が侵入してきていることを発見し、メリケンムグラの撤去作業を行いました。2017年8月に重井薬用植物園の片岡園長に「湿地にメリケンムグラが侵入すると除去できないので、広がらないうちに駆除するように」指摘を受け、2017年から龍泉寺の敷地内の3箇所のメリケンムグラを除去してきました。(毎年除去していますが、完全な撤去はできていません)
メリケンムグラ(北アメリカ原産)
芝生に広がるメリケンムグラ
メリケンムグラの除去作業
掘り起こしたメリケンムグラの地下茎
除去するためにメリケンムグラを掘り返すと、根の張りが広く地下茎が発達していて、地下茎を完全に除去するのは困難なことがわかりました。取り残した地下茎の欠片からも再生します。午前中の2日間、除去作業をしましたが、追いつきませんでした。
後日、メリケンムグラの広がり状況を調査しました。すでに龍泉寺の敷地の広域に侵入しており、根絶は難しい段階に来ています。山間部にある龍泉寺にメリケンムグラがどのようにして侵入してきたか分かっていませんが、分布状況を見ると、種子が車のタイヤに付着・靴底に付着・運ばれた土砂に混じってなどで広がったと推測しています。 少なくとも、メリケンムグラが湿地への侵入を防がねばなりません。すでにトンボ池湿地に侵入していて、除去しましたが、完全に除去し切れません。
2020年8月8日 サギソウの開花に先立って、観察路の夏の草刈りを行いました。猛暑を少しでも避けるために、早朝の午前6時から草刈り作業を行いました。こい岩湿地・上こい岩湿地・サギソウ湿地・もみじ谷湿地・トンボ池湿地の観察路の草刈りは、午前10時に完了しました。湿地には、猛毒のマムシ・ヤマカガシ、草むらにはマダニが潜んでいます。観察者の安全を確保するために、春・夏・秋の3回草刈りをしています。
観察路の夏の草刈り (こい岩湿地)
観察路の夏の草刈り (トンボ池湿地)
2020年8月10日~25日 サギソウの初見は7月27日(サギソウ湿地)でした。サギソウ湿地のサギソウの開花は早く、こい岩湿地のサギソウは遅めに咲くので長い期間楽しめます。今年のサギソウの見頃は、8月10日~25日でした。サギソウ人気は強く、猛暑にもかかわらずサギソウを見にこられる方がおられます。
サギソウ (こい岩湿地)
サギソウ (サギソウ湿地)
サギソウ (サギソウ湿地)
サギソウ (サギソウ湿地)
龍泉寺のサギソウは、自然に自生したものです。年毎に開花する場所が移動するようです。サギソウ湿地では、今年、東側の観察路の中央付近にサギソウの開花を多数確認できました。この場所では今までサギソウの開花を確認したことはありませんでした。昨年の春にイノシシが掘り返した場所で、この撹乱によってサギソウが生育できる環境になり、生き残っていた球根が目覚め生育して開花したものと思います。イノシシの撹乱による自然再生は2013年~2014年にも、サギソウ湿地で確認されています。
2020年9月中旬~下旬 龍王池堤防の西斜面にオミナエシが咲きます。今年は、堤防の端から端までオミナエシが咲きそろいきれいでした。今年1月に出版した会の10周年記念誌「岡山市の小さな自然再生~龍泉寺の自然を守る会10年の歩み」に、青色の蜂:オオセイボウ・ナミルリモンハナバチを掲載したことが契機で、長望遠レンズを携えた写真愛好家の方が多く集まるようになりました。
オミナエシの群生 (龍王池堤防)
アゲハ (龍王池堤防)
オオセイボウ(大青蜂) (龍王池堤防)
ナミルリモンハナバチ(瑠璃紋花蜂) (龍王池堤防)
「黄金色のオミナエシに訪れる青い蜂」は黄色ー青色の補色関係にあり、色彩バランスが良く写真栄えします。この自然アイテムを一般受けする龍泉寺の自然の見所に加えることにしました。
龍泉寺の自然の見所として、5月のトキソウ、6月のハッチョウトンボ、8月のサギソウ、9月のオミナエシと青い蜂、11月のモミジの紅葉があります。龍泉寺の大きな行事として、4月の八大龍王祭、7月のお滝祭、10月の身代り地蔵尊祭、12月の御火焚大祭、1月の新年開運祭、2月の初午祭があります。
修復した木道橋の梁と杭(サギソウ湿地)
2020年11月7日 新型コロナウイルスによる「非常事態宣言」が発出され、取りやめていました例会を久しぶりに開催しました。午後から、湿地周囲の草刈り・湿地に侵入しているセイタカアワダチソウの除去・こい岩湿地のピットに堆積した土砂の除去などの作業をしました。
龍泉寺さんにサギソウ湿地の木道橋の腐食した杭と梁の補修をしていただきました。
2020年11月13・14・22日、12月5日 湿地の植物が休眠する冬に行う保全作業、湿地の枯草を刈り・枯草を湿地外に搬出する作業は、湿地の植物を保護する最も重要な作業です。 こい岩湿地・上こい岩湿地・サギソウ湿地・もみじ谷湿地の草刈りを11月に3日間かけて、搬出作業は12月5日に行いました。
こい岩湿地の草刈り作業(11月13日)
こい岩湿地の枯草の搬出作業(12月5日)
搬出した枯草の山(こい岩湿地)
サギソウ湿地の枯草の搬出作業
搬出した枯草は、龍泉寺さんで集められ、2年間かけて堆肥に変わり、田や畑の肥やしとして活用しています。
私どもが、湿地の保全活動を始めて12年になります。会員も高齢化しています。龍泉寺の貴重な里山の自然環境を今後とも残していくために、個人・法人皆様の参加をお願いします。
2021年2月27日 今年も足守山野草の会のご協力で「サギソウの育て方教室」を行いました。コロナ対策として、室外で、マスク・ゴム手袋着用で行いました。例年行われていた茶話会は中止しました。
2013年度からサギソウの育て方教室を行っていますが、講師の先生から免許皆伝を受ける会員は生まれていません。サギソウを上手に育てると球根は1.5~2倍に増えますが、増殖できないで先生から毎年球根を貰い受ける方が多いようです。サギソウが育つ自然環境を植木鉢の中で維持する難しさを実感しています。
龍泉寺のリンドウは例年11月上旬に咲きます。11月下旬の草刈り時には、リンドウの種子は完熟していません。リンドウが生育する場所は刈り残しておいて、2月下旬頃に枯草を刈取っています。
写真の木道橋の朽ちた梁と杭を取替えました。また、こい岩湿地の北側にコンクリート製の踏み石をイノシシが掘り返ししたので、土砂を入れて再整備しました。
草刈りと木道橋の補修(サギソウ湿地)
土砂を入れて踏み石を再整備(こい岩湿地)