保護活動の歩み(2008~2011年度)
加藤氏と藤原先生が中心になって、「龍泉寺の湿地の保護」のためのボランティアグループを立ち上げることになりました。 湿地の保護活動は、「龍泉寺の自然を守る会」のボランティアが中心になって行われることになりました。2012年3月までの保護活動の歩みを紹介します。

「龍泉寺の自然を守る会」設立総会 2009.1.24
「龍泉寺の自然を守る会」の設立
2008年11月18日 龍泉寺で設立発起人会(出席者4名)を開きました。
2009年1月24日 「龍泉寺の自然を守る会」の設立総会(出席者11名)を開きました。
この会は、「ボランティア活動で岡山市北区下足守の龍泉寺の自然環境を守り、後世に伝えること」を目標に活動することを確認しました。
2008年度の活動
2008年12月 「サギソウ湿地」を5日間かけて整備しました。立ち木の伐採、潅木(主にツゲ)の除去、草刈りを行いました。この湿地はツゲが勢力を伸ばしていました。

保全する前の「サギソウ湿地」

よみがえったサギソウ湿地

山陽新聞に掲載された
「龍泉寺の自然を守る会」設立記事
2009年1月 「もみじ谷湿地」を6日間かけて立ち木の除去、草刈りを行いました。この時の湿地の整備活動と「龍泉寺の自然を守る会」の発足が、山陽新聞に掲載されました。
記事のインタビューで加藤さんは、答えています。
このまま放っておくと、湿地は消滅しかねない。一度失われた自然を再生するのは困難。地道に活動を続け、貴重な自然環境を次の世代につたえていきたい。
保護活動を公にして進めるために、 岡山市エコボランティア活動「アダプト・プログラム部門」に登録しました。
2009年3月 3日間かけて、もろ松や松の皮むきをし、杭を作り、「もみじ谷湿地」「サギソウ湿地」に立ち入り禁止用の柵を作りました。
2009年度の活動
2009年5月 「もみじ谷湿地」にトキソウがたくさん咲きました。山陽新聞社からトキソウ開花の取材を受けました。
2009年6月 「もみじ谷湿地」「サギソウ湿地」の草刈をしました。木製のベンチ2脚を製作し、もみじ谷湿地に設置しました。
2009年7月 「サギソウ湿地」に観察者用の木道橋を設置するために、「岡山市環境づくり活動ステップアップ支援事業補助金」を申請しました。
2009年8月 整備した「サギソウ湿地」にサギソウが咲きそろい、山陽新聞社の取材を受けました。
2009年9月 木道用の板材として森林組合より購入した桧板に、防腐剤を2日間かけて塗布しました。
2009年10月11月 「サギソウ湿地」に、観察者用の木道橋を7日間かけて設置しました。

サギソウ湿地の木道設置作業風景

完成したサギソウ湿地の木道
2009年12月 「もみじ谷湿地」「サギソウ湿地」の草刈りと刈取った雑草の後片付けを行いました。 山陽新聞社から完成した「サギソウ湿地の木道橋」の取材を受けました。
2010年1月 「龍泉寺の自然」を映像で後世に残し、自然保護の大切さをPRするために、ビデオ作成チームを立ち上げました。
ビデオ制作の助成を受けるために、福武教育文化振興財団へ「平成22年度文化活動助成公募」に応募しました。
2010年3月 「こい岩湿地」の草刈り、後片付けを2日間かけて行いました。
福武教育文化振興財団から文化活動助成の決定通知を受取りました。

こい岩湿地のトキソウ

岡山県自然保護センターの先生を講師に勉強会
2010年度の活動
2010年5月 「木道入り口」「立入り禁止」の看板を立てました。
下草刈りをした「こい岩湿地」にトキソウが咲き誇り、山陽新聞社の取材を受けました。新聞掲載により多くの見学者があり、会員が案内をしました。
2010年6月 ビデオ作成チームを「ビデオ制作委員会」に改組し、岡山県立大学の先生のご指導を受けて、ビデオ撮影を開始しました。
「トンボ池湿地」の標柱を製作し、立てました。
2010年7月 岡山県自然保護センターで、「湿地の植物」について研修しました。
「もみじ谷湿地」の標柱を製作し、立てました。
2010年8月 山陽新聞にサギソウの開花が掲載され、見学者の案内を行いました。
2010年9月 福武教育文化振興財団で文化事業助成金贈呈式に出席し、助成金を受領しました。
2010年10月 岡山県自然保護センターの先生をお招きし、龍泉寺の湿地の植物を観察しながら、現地指導をしていただきました。
2010年10月 龍泉寺の好意とご支援により、「こい岩湿地」に観察者用の木道橋を設置することになりました。「こい岩湿地」を測量し、龍泉寺境内の桧を間伐し、間伐材を搬出しました。
2010年11月 12日間ついやして、①杭用の丸太の皮むき、②間伐材を製材した板材の皮むき、③板材へ防腐剤塗布、④防腐のために杭の表面を焼くなどの作業をしました。

丸太の皮むき作業

防腐剤塗布作業
3日間かけて、「こい岩湿地」に観察用木道橋(西側)を設置しました。
3日間かけて、「こい岩湿地」「上こい岩湿地」「もみじ谷湿地」の草刈りと後片付けを行いました。
2010年12月 3日間かけて、「こい岩湿地」に観察者用木道橋(東側)を設置しました。
山陽新聞社から「龍泉寺の自然」のビデオ制作の研修会の取材がありました。
2011年3月 「龍泉寺の自然」のビデオの完成発表を岡山市立視聴覚ライブラリーで行いました。
2011年度の活動

完成した「こい岩湿地」の木道橋

「サギソウ湿地」の標識を立てる
2011年4月 「サギソウ湿地」「こい岩湿地」の草刈り後の片付けをしました。
「サギソウ湿地」の木道橋に防腐剤処理をし、「こい岩湿地」の木道用の板材に防腐剤を塗布しました。
龍泉寺の湿地観察にこられた方にお渡しする「龍泉寺の自然マップ」が完成しました。

2011年6月 「こい岩湿地」の木道橋に降りる階段、東西の木道橋をつなぐ北側の整備を行いました。
トキソウを見に多くの来訪者がありました。
「サギソウ湿地」「こい岩湿地」「上こい岩湿地」の標識を作成し、立てました。
2011年6月 完成したビデオ「龍泉寺の自然」を配布できるように、DVDにプリントし、地域の公民館、小学校などに、環境保護教材として贈呈しました。
この内容が、山陽新聞の岡山都市圏版に大きく掲載されました。
2011年8月 地元の足守小学校、蛍明小学校の生徒さんを対象に、「夏休み龍泉寺の自然観察会」を行いました。
サギソウの観察に多くの来訪者がありました。
2011年10月 月例会で「龍泉寺の自然を守る会」のホームページを制作することを決めました。
2011年11月 「龍泉寺の自然」のDVDを岡山県立図書館、岡山市立中央図書館などに寄贈しました
2012年1月 4日間かけて、湿地の下草を刈り、刈り取った草を湿地の外へ搬出しました。

サギソウ湿地の下草刈り

こい岩湿地の下草刈り
2012年4月 ホームページ「龍泉寺の自然保護~湿地の野草を守ろう」を公開しました。
2012年度の活動実績のページ へ続きます。
(注)湿地の名称は、2010年から2011年に命名されました。
説明をわかりやすくするために、後日付けられた湿地の名称を使用しています。
活動実績
観察マナー
湿地観察のお願い!

保護活動
下草刈り
1月に湿地の下草を刈ります。
時期ですが、草の種子が落ちた後で、新芽が芽吹く前が良いので、下草刈りは1月または2月になります。
刈り取った草は、湿地の外へ運び出します。
湿地の植物は、養分の少ない土壌に生育します。
刈り取った草を湿地に放置しておくと、土質が腐葉土化し、外部から雑草が入り込みやすくなります。
外来植物の撲滅
龍泉寺の湿地にも、外来植物が侵入してきています。
人の体や靴に付着して運んできたり、鳥が排出した糞に含まれたり、工事用に搬入した土に含まれたり、原因はいろいろです。
外来植物を見つけたら、実をつける前に、根っこから引き抜いて廃棄しています。
龍泉寺湿地の外来植物

セイタカアワダチソウ

ヒレタゴボウ

コセンダングサ

ブタナ
希少植物の盗掘
心ない野草マニア・業者の方が、希少植物を根こそぎ掘って持ち帰る人がいます。
ラン科の植物が人気で、乱獲により絶滅危惧種になるケースが多くあります。